本学は新潟県委託業務として「新潟の産業・企業を知る講座等」を実施しています。
2021年度は「新潟県内の歯科技工業を知る講座」として、2021年10月20日(水)に「かえつ歯科」歯科技工士長の阿部 周 様(2012年3月歯科技工士学科卒業)に講演していただき、2021年11月10日(水)には「かえつ歯科」様の院内ラボを見学させていただきました。
特別講演
- 参加者:歯科技工士学科1年生、歯科技工士学科2年生、保護者2名
- 開催日:2021年10月20日(水)
- 講師:かえつ歯科 阿部 周 歯科技工士長
新潟市秋葉区にある「かえつ歯科」。一般歯科と異なり、下越病院が経営する病院歯科となっており、病院とは別に単独で設立された特殊な歯科医院です。歯科院内に併設されている技工室で、緊急の仮歯製作や入れ歯修理など、細かなニーズに歯科技工士が素早く対応し、患者さんにスピーディーで正確な治療が行われています。
阿部さんからは、自分の作る歯科補綴物の重要性を知ること、歯科技工士として臨床現場に出てから分かったこと、やりがいを見つけてほしいこと、やり続けることの重要性を講演していただきました。
歯科医院見学
- 参加者:歯科技工士学科1年生、生体技工専攻生希望者、保護者2名
- 開催日:2021年11月10日(水)
阿部さんの拘りである「院内ラボ」での仕事。実際に患者さんに立ち会って声を聴きならが製作にあたり、その患者さんにとってベストな状態を考えて仕事ができることが、誰よりも技術の向上を目指せる良い環境であり、評価がダイレクトに伝わってくることが一番の魅力と語ってくださいました。
かえつ歯科スタッフの皆様、誠にありがとうございました!
学生レポート(抜粋)
- 就職後すぐに歯科補綴物の製作ができるか不安だったので、入社一年目に県外の大規模の医院に研修に行くことができる点がとても魅力的に感じた。石膏注ぎから歯科技工士が行うので、模型作りから歯科補綴物の完成まで全て歯科技工士が把握できる点、歯科補綴物のセットに立ち会えるので患者さんや歯科医師からの評価が直接届く点、歯科技工士が歯科診療所で義歯の調整などをすぐにできる点、自分の職域外の仕事をしなくて良い点など、歯科補綴物が患者さんの生活を支えていることを意識できるため、仕事に対しての責任感を持つことができ歯科技工士としてのスキルアップが望めると感じた。
- 阿部先生のお話をお聞きして、今までぼんやりとしか想像のできなかった臨床現場に出てからの自分像が少しずつではありますが想像することができました。今の自分はただ黙々と決められた実習をこなすだけで、あまり患者さんのことを考えて作業することができていませんでした。ですが、自分が満足する歯科補綴物ではなく患者さんが満足する歯科補綴物を作らなければいけないので、自分が作る歯科補綴物の重要性を考えて患者さんがつけるということを想像しながら実習に取り組みたいと思います。
- 阿部さんの講演を聞き感じたことは、阿部さんは患者さんのことを一番に考えているということです。歯科技工物には自費と保険がありますが保険よりも自費の方が価格が高くより良いものだと認識してしまうかもしれませんが、価格に左右されずにどちらも患者さんの口腔内に入るものだと意識し、自分ができる技術全てを使って最高な物を作る姿勢に感動しました。また、自分の好きな分野を見つけることでモチベーションの維持をするという考え方は今後の実習や仕事にうまく活用できそうだと感じました。
- 今回の講演会以降、院内ラボについてとても興味を持ちました。歯科技工士としてチーム医療を実践する中で、歯科医師、歯科衛生士との連携は重要です。歯科技工所は全ての歯科技工物に対応可能であるという利点があるものの、歯科医師や歯科衛生士の反応は勿論、一番大切な患者さんの反応を知るまでにはどうしても時間差が生じます。その点、院内ラボは文字通り院内の歯科技工所という利点からダイレクトに連携が可能です。特に患者さんの反応をすぐ受け取れる点には強く魅力を感じました。私自身、患者さんに直接関われる職場に憧れがあります。今回実際に見学をして、充実した歯科技工設備に驚きました。さらに新人教育にも力を入れており、多くの経験を積み自分で成長出来る環境だと感じました。
- 歯科医院の良いところは歯科技工士以外の人と直接話が出来ることだと思う。歯科医師や歯科衛生士、自分の作った装置を使用する患者さん。色々な人と関わることで学べることが必ずあり、それが技工作業に役立つと思う。製作する装置を最初から最後まで自分で作ることができるので、仕上げた時の達成感は歯科技工所よりも大きいはずだ。そしてなにより患者さんと関われることが一番大切である。実際に自分の作った装置がどのように機能しているのかを見れることが今後に影響すると感じた。