地元産業界・地域等と地域解決に向けた連携事業の実施について(2023年度)

 本学は真砂小学校区コミュニティ協議会とパートナーシップ協定を締結し、住民の高齢化が進む本学周辺地域において、「学生と地域住民でワクワクする新しい事業を形にすることにより地域活性化に寄与」することを目的に、地域住民と本学学生とが参加するワークショップや懇談会を定期的に開催しています。

 2023年度は真砂小学校区コミュニティ協議会の役員をお招きし、学生の地域貢献について意見交換を行う「地域の課題解決に向けた地域と学生の懇談会」を開催しました。

日時:2024年3月29日(金) 15時30分~16時30分
会場:明倫短期大学第2会議室

出席者:
真砂小学校区コミュニティ協議会 伊藤健一会長
真砂小学校区コミュニティ協議会 前川倫子副会長
真砂小学校区コミュニティ協議会 三國義則事務局長
歯科技工士学科専攻科生体技工専攻1年 皆川由妃乃さん
歯科技工士学科専攻科生体技工専攻1年 高橋美風さん
歯科技工士学科2年 伊藤成孝さん(卒業生)
歯科技工士学科1年 花井崇行さん
歯科技工士学科1年 村山悠さん
明倫短期大学 宮﨑秀夫学長
明倫短期大学学生部長・地域連携委員長 植木一範准教授
明倫短期大学歯科技工士学科 井上篤講師
明倫短期大学歯科衛生士学科 天池千嘉子助教
明倫短期大学事務局 齋藤雅紀次長

 実施に先立ち明倫短期大学宮﨑秀夫学長よりご挨拶をいただき、地域と学生との交流を通じて地域が活性化できるようにするため、本会が有意義なものとなるよう意見交換をしていただきとの挨拶があった。

 その後、明倫短期大学・植木学生部長・地域連携委員長から本懇談会の開催趣旨説明を行い、出席者の自己紹介の後、明倫短期大学立地する真砂地域が抱えている現在の課題についてお話をいただきました。

伊藤会長

真砂地域の問題点は「住民の高齢化」、「地域活動のほか地域全体が盛り上がりに欠けること」、「若い方に自治会活動に参加いただけない」というものがあり、衰退しているように感じている。それでも、他地域に比べればまだよい方だと思っている。学生さんたちにも活動に参加していただいて、連携しながら地域が盛り上がっていくようにしたい。

 昨年も参加したが、その際に明倫短大の学生さんの挨拶が悪いと言ったが、現在はかなり良くなっている。学生さんの方から積極的に挨拶をしてくれる。

 また、2月の中旬に路上で老齢者が動けなくなっているときに、2名の女子学生が介抱してくれていた。素晴らしいなと思った

 地域のお茶の間活動やうきうき元気塾等で明倫短期大学の学生さんや先生方に講演等を行っていただいたことがある。授業の一環で派遣していただいたと記憶しているが、また、お願いをしたいと思っている。

前川副会長
三國事務局長

 地域の活動がどんどんと縮小されているように感じる。若い人たちと一緒に考え、行動することで変わってくると思う。以前、自治会で幼児の保護者にあたる若い親世代の方にも入っていただいて様々な企画を実施してきたが、子供の数が減ってきて「面倒なことはやめよう」という声も上がってきている。

 コミュニティースクール等、学生さん達にも参加してもらうことによって、地域の活性化につながるのではないかと願っている。

昨年までの本事業で出された意見のフィードバックから、本年度は初めて本学学生が関わり海岸清掃を地域と地域の小学生と実際に実施するまで進んだ(残念ながら雨天中止)。学生の地域へのボランティア活動も継続的に実施できている。今後、学生が関わる可能性が示唆される『真砂塾』という計画があるとお聞きしているがどのような活動を予定されているのか?

植木准教授

(伊藤会長) 地域が関わり、放課後の小学生の居場所や学習支援、課外活動支援として進める予定である。それこそ、小学生に近い学生さん達が勉強の指導や課外活動をしてくれた方がより良い。年配者ばかりが関与すると小学生も先生に指導をされているのと変わらなくなってしまう。

(三國事務局長) 土曜日のわくわくスクールなんかは、学生さんも入りやすい活動ではないかと思う。

(植木) 明倫祭では地域の小学生にも開放して体験企画を実施してとても好評である。ものづくりのような内容は連携して実施できる。

 伊藤会長から学生さんたちに趣味や特技などを質問した。アニメやサッカー、バドミントンなどのスポーツ、旅行、絵を描くこと、社会人学生からは子育て等の回答があった。

(伊藤会長) 学生さんの趣味などをいかして地域の活動に参加して欲しい。スポーツが好きならばサッカー大会やバドミントン大会を実施してもよい。地域住民の中にも関心がありながらもそういう場がないためにやっていない人がいる。是非、実施したい。

お願いしたいこと

広報部会に関することであるが、パソコンが得意な人がいれば、コミュニティ協議会報の発行に協力していただきたい。年配者もスマートフォンを使う方が増えており、必要な人には紙媒体で配布し、基本はデジタル化としてWeb公開にしたい。是非、協力していただきたい。

「防災」についての意見交換

(植木) 以前、地域の方々と学生が一緒に防災キャンプを行ったことがあったが、防災に関して何かお考えことはあるのか。

(伊藤会長) 昨夏、実施しようと思ったが、猛暑で見送った。年初に能登半島地震があり、避難所の開設にも関わった。その経験から、明倫短期大学の体育館をお借りして宿泊型の企画はできないものか。また、アウトドア体験がない方も多いので、実際にバーナー等を使って煮炊きをすることも経験できる企画を考えている。

(齋藤次長) 能登半島地震の際に住んでいる地域の体育館が開放された。あのスペースで実際に避難して寝起きするのは抵抗感がある方もいるはず。その体験を実際にしておくことは有効である。明倫短期大学として前向きに検討したい。

出席した学生からの感想

  • 実際に通学している地域の活動についてよく認識していなかったが、これだけの活動をしていたことに驚いた。どんどん発信していきたいし、盛り上げていくように協力したい。
  • 出身地域の自治会活動にも積極的に参加したい。
  • 地域の方のお祭りを是非、やってはどうか。明倫祭と同時に開催したらどうか。
  • イベントを計画するのも大変なんだなあと思った。

職員からの意見

(天池助教) 時代は変わってきているのだなと。視点を変える必要があると感じた。地域の活動について考え方や概念を変えていかないといけないと思った。

(井上講師) 実習や講義の時間を活用して、地域の方々と交流できる機会が増えることができればよいのではないかと感じた。

(齋藤次長) 明倫短期大学の持っている教育資源、人的資源を学生さん達も含めて地域に貢献できることは可能であると感じた。

宮﨑学長総括

  地域の活動を通じて、人的なつながりをいかに構築するかは難しいものがあるが、今回のような懇話会を通じて地域課題等の解決に向けた連携等ができるきっかけとなる。今回のご提案をもとに、様々な機会を通じて一緒に活動ができればと願っている。